ピロリ菌の症状と原因
ピロリ菌は、胃の中に生息する細菌のひとつです。感染経路はハッキリとわかっていないため、厄介な細菌として知られています。また、ピロリ菌は、胃炎や胃潰瘍、胃に関する様々な病気に関係していることが明らかなっています。
ピロリ菌が生息しているからといって全員が胃潰瘍や胃がんといった病気になるとは限りません。しかし、除菌しない限り、胃の粘膜を守る力がどんどん弱くなり、慢性的な胃炎に悩まされることもあるので、医師に相談する必要があるでしょう。
ピロリ菌が感染する原因として考えられるのは、学校などの施設内感染や、消毒が不十分な医療行為、家族内感染など。また、免疫力が弱い5歳未満の幼児が感染しやすいといわれていますが、大人でも感染することは十分に考えられます。
ピロリ菌は放置していると、胃炎を引き起こす原因にもなりますので、ピロリ菌に感染していることがわかったら、病院で適切な治療を受け、早めに除去するようにしましょう。
ピロリ菌の除菌に役立つ乳酸菌の選び方
腸内にピロリ菌が発生していることがわかっている場合や、今後ピロリ菌を増やさないためには食事でも抑制可能なケースがあります。これまでの研究の中で、ピロリ菌の改善に繋がるといわれている食品は以下の通りです。
ブロッコリースプラウト、昆布、わかめ、めかぶ、もずく、渋柿、りんご、カカオ、ぶどう、ブルーベリー、金時豆、緑茶、ほうじ茶、赤ワイン、ココア、コーヒー
ブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファン、昆布やワカメといった海藻類に入っているフコダイン、上記に書いてある渋柿からコーヒーに含まれているカテキンが、ピロリ菌に効果的といわれています。
これらの食品を積極的に摂取すると同時に、乳酸菌を取り入れることで、ピロリ菌の減少に繋がることがあります。ピロリ菌の撃退に効果的な乳酸菌といえば、LG-21がオススメです。LG-21は耐酸性に優れているうえ、胃酸に強く、ピロリ菌を殺菌する力を持つ乳酸菌をたくさん作る働きをしてくれます。
研究によると、LG-21を含むヨーグルトを毎日8週間食べ続けた結果、80%以上の確率で、ピロリ菌が減少したことが明らかになっています。
LG-21を含む乳酸菌を摂取することで、ピロリ菌の数を減少し、胃潰瘍や胃がんの予防にも繋がるため、積極的に取り入れるとよいでしょう。
また、SN13T株などは、抗ピロリ菌作用のある物質を産生してピロリ菌を抑制する働きが報告されています。
ピロリ菌の除菌効果が期待できる乳酸菌の種類
LG21菌 正式名称は「ラクトバチルス・ガセリ・OLL2716株」 |
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ガセリ菌の一種です。明治が保有する約2,500種類以上の乳酸菌ライブラリーの中から選び抜かれた菌。乳酸菌の中でも、とくに数多くの乳酸を作り出します。 |
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明治プロビオヨーグルトLG21 |
明治プロビオヨーグルトLG21ドリンクタイプ |
BF-1株 |
正式名称は「ビフィドバクテリウム・ビフィダム・BF-1株」でヤクルトが独自に開発したビフィズス菌です。試験ではピロリ菌の活性抑制効果、胃粘膜の炎症抑制効果、胃の不定愁訴の改善効果が明らかになっています。 |
BF-1
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EC-12株 |
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正式名称は「エンテロコッカス・フェカリス・EC-12株」球状の非常に小さな乳酸菌です。腸内環境を改善させて、お通じの改善効果が確認されています。また、免疫を高める効果もあり、インフルエンザの予防なども研究されています。 |
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愛しとーと おなか快調宣言 |
乳酸菌 EC-12 |
SN13T株 |
正式名称は「ラクトバチルス・プランタム・SN13T株」で、広島大学の研究により植物の葉から分離された乳酸菌です。特定の果汁などで培養すると、抗ピロリ菌物質を産生することが確認されています。 |
飲む、植物乳酸菌 |
ロイテリ菌プラクティス株 |
胃酸を抑える薬とロイテリ菌を同時に服用する治療を一ヶ月続けた所、約60%の人がピロリ菌が見当たらなくなったという報告があります。 |
ロイテリヨーグルト |
ラクトバチルス・アシドフィルス |
「LA-5株」「FK-205」にはピロリ菌を抑制する効果が報告されています。 |
湯田牛乳 プロバイオティクス まろやかヨーグルト |
エビデンス
乳酸菌がピロリ菌の抑制や除菌に有効である研究には以下の実験があります
- 乳酸菌OLL2716株は胃の中で生きて、ピロリ菌の活動を抑制させて胃の健康を守ることがわかりました。
https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/report/oll2716/02/
- ビフィドバクテリウム‐ビフィダムBF-1株は、ヘリコバクター・ピロリ誘発遺伝子の発現を抑制し、NF-κBシグナル伝達経路に関連すると認められました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20854986
- アシドフィルス菌はヘリコバクター・ピロリ菌の増殖を抑制するはたらきを持つことから、アシドフィルス菌が胃潰瘍予防ならびに健胃作用を有すると考えられています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17601032
- 化性潰瘍患者におけるラクトバチルス・アシドフィルスのヘリコバクターピロリに対する阻害効果
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12188456